2011年5月26日(木)~31日(火)福島県郡山市のquubにて、ジプシーの写真展を行いました。


3.11の震災を受けて開催した、神宮前での写真展
に、福島の方が来場してくれ、「ジプシーの写真と音楽で、楽しみたい。自分も楽しみたいし、みんなにも楽しんでほしい。」と企画してくれました。

むかしは栄えていたのであろうという面影が残る、郡山の飲屋街にあるお店、quubは、こだわりのお酒やインテリア、無国籍で、オリジナリティ溢れるメニューが魅力的で、地元の人がふらりとあつまってくる場所でした。

「震災があってから、郡山は人が減っちゃったからねぇ。」
大手のチェーン店以外で、開いているお店が少ない中、いち早くお店をオープンさせて、地元の食材を取り入れた料理や、人との繋がりを大切にできる場所は、そこで暮らす人々にとって、心の支えとなっており、写真展のパーティでは、ルーマニアの家庭料理をアレンジしたメニュー、サルマーレやパパナシに、サワークリームやスナックまでも自家製でした。

ジプシーの話、写真の話、旅の話、そして震災の話 ….. 。

集まってくれた方々は、年齢もテンションも様々でしたが、一様に心の底から地元、郡山を活気づけたいと思っていることが、ひしひしと伝わってきて、何とも言えない心境でした。

閉店後、消耗したスタッフに気を使いつつも、みんな、なかなか帰らず、楽しそうにしている姿を見ながら、来て良かったな ….. と心から思えました。
翌日、写真展に来てくれた、夫婦が暮らす、いわき市を訪れました。わたしにとっては、初めてのいわきでした。
「あの日以来、まだ沿岸部をちゃんと見に行っていないから、良かったら一緒に行きませんか?目に焼き付けておかないと ….. 。」と誘ってくれたのです。

地震、津波、原発事故 ….. 。

テレビでさんざん見た光景も、実際そこで暮らす人たちと一緒に話しをしながら、見てまわると、この惨事が物語る、自分へのメッセージが明確になっていきました。

「家が津波につかって、砂やがれきがすんごかったから、どっかにお金ないかねぇと思ったけど無かったなぁ。」
「ボランティアの人があんまりにも一生懸命やってくれるからさ、申し訳なくて、自分の家なのにトイレで煙草すってたよ。」

笑いながら話す姿に、とてつもない人の強さを感じました。

「お父さん、津波にのまれちゃったけど、遺体が早くに見つかって、本当にありがたかったよね。」
「受け入れていかないと仕方ないよね。」
「自然の力には勝てないけど、人の力で勇気づけられたからね。」

そして、「放射能さえなければね ….. 。」みんな、ぽつりと言うけれど、東電や政府への批判や愚痴は一言も出ませんでした。

3.11、あれから、2ヶ月が過ぎました。事態は変わらなくても、時間は過ぎて行きます。

「あらたな夢のかたち」はどのように、描けばいいのだろう ….. 。何を変えれば、何が変わるんだろう ….. 。

大きなうねりの中をさすらっている、日本の中で、ふと気づくと、「変わらない自分」がそこにいました。苦しい現実の中でも、感謝の心とユーモアを忘れない、いわきの人々の強さと温かさに触れ、「変わらない自分」を今は少し変えてみよう、「10」変わらなくても、「1」だけでも ….. 。と思いました。

写真展を通して、たくさん人と出会って、繋がって、やってて良かったなと思えた日々でした。

企画してくれたハニワさん、quubのともりさん、いわきを案内してくれた、サトムさん、きくちゃん。写真展にきてくれた方々、いわきで出会った方々。

かけがえのない時間をありがとうございました。良いかたちで復興することを心より願っています。

また、この写真展は、先日神宮前の写真展で行った、オリジナルプリントのチャリティー販売によって、集まったお金で、行われました。ご協力頂いた方々に、お礼申し上げます。