今まで読んだジプシーの本の中で、読みやすいものをまとめました。ジプシーの関連書は、難しいものが多いですが、ここでは、気軽に楽しめる本をご紹介したいと思います。

写真:アルベル・ラッシュのジプシーダンス、1915年頃(ウィキメディア・コモンズ

Coyote No.19 特集:インド ジプシーの旅立ち


ジプシーのルーツとされるインドのラジャスターン地方の特集です。
雑誌なので難しいことが分かりやすく、今でも移動しながら暮らすインドのジプシーについて紹介されています。。ジプシーのルーツは、本当にインドなのか?という説には色々ありますが、ジプシーの言葉である、ロマ語はインドの言語と良く似ていると言われています。

 

太陽の木の枝 ジプシーのむかしばなし|イェジー・フィツォフスキ|


子どもにも読めるジプシーの昔話がたくさんのっています。文字も大きくてとても読みやすい上に、挿絵とても素敵です。
著者が数回に渡ってジプシー集団と生活を共にして収集した、ジプシーの昔話の数々。裏表紙に書かれていた文章は、ジプシーの古き好き時代の生活が、表れています。

”ポーランドの高名なジプシー学者の手になる民話集。太陽・月・星のかがやくイメージが美しい「太陽の木の枝」、金の髪をした娘の悲恋を描いた「きりの国の王女」など、色彩感覚あふれるユニークなお話が二十二編。自由を尊び、旅を採光の宝とする誇り高いジプシー魂がどのお話にも満ちています。”

今までに、何冊もプレゼントした本です。

 

ポルトベーロの魔女 |パウロ・コエーリョ|


主人公は、ルーマニアのジプシーの娘で、幼い時にイギリスへ養女として送られるのですが、後に自分のルーツを探して度に出るというお話しです。
この本は、初めて読んだ、ジプシーの本でしたが、今でも私にとって大切な言葉があります。

「旅する者に時は存在しないからね あるのは空間だけ。」

当時、この言葉にとてつもなく惹かれてしまいました。実際のジプシーの生活は、そんなにノスタルジックではないけれども、「今」を生きるジプシーのエネルギーは想像以上でした。この本では、スピリチャルなことがたくさん書かれていますが、ふらっとジプシーのところを旅して、気軽にふれられるものでは、ありません。よそ者には見せない、大切な部分なのだと感じています。

 

モーロ人は馬にのって アンダルシアで舞い、耕し、生きる |佐藤花那子|


旅友である、たかのてるこさんから教えてもらった本です。著者はフラメンコ舞踏家の佐藤花那子さん。スペインのジプシー、ヒターノで有名なフラメンコの唄い手、マヌエル・アグヘタさんと結婚され、アンダルシアでの日常を綴ったものですが、とてもストレートで飾らない表現に、好感が持てます。

そして、同じ日本人女性の視点や感覚に、現地の様子が手に取るように伝わってきます。いくら有名なフラメンコの唄い手でも、やはりヒターノであることから抱えている問題や日本人女性がその中で暮らすこと大変さ、彼女の強さやたくましさも、とても魅力的です。

日本では華やかなフラメンコでも、日本人女性がジプシーのコミュニティで生きるとはどういうことなのかが、リアルに書かれています。

 

ゾリ |コラム・マッキャン|


パプーシャ(ジプシーの言葉、ロマ語で人形の意味)というジプシーの女性詩人の実話から、着想を得て書かれたものです。ジプシーは文字を持たないので、女性が文字を書くことは禁止されていた話が、とても印象に残っています。実際に、わたしがジプシーの家にいる時に、文字を書いたり、読んだりしていると、ジプシーのお母さんの機嫌が悪くなったことが、思い出されました。

この本は、スロヴァキアの過酷な時代を生きるジプシーの女性の物語ですが、日本語で読める長編の本の中では、とても完成度の高い作品だと思います。時代背景やジプシーの文化の描写も、ジプシー達が、自然とともに、ただ、歌って踊って暮らしていたわけではなく、自由に生きているようで、別の意味の自由を捨てざる得ないということが、描かれています。