日本語で見ることのできる、ジプシーの映画をご紹介します。ここでは、あらすじの紹介ではなくて、ジプシーをどのように描写しているか?という視点で、ご紹介しています。

写真:ジプシーの女性と警察官|ドイツ|1936年(ウィキメディア・コモンズ

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ガッジョ・ディーロ|トニー・ガトリフ|1997年

ガッジョ・ディーロは、ジプシーの言葉、ロマ語で「愚かなよそ者」という意味です。ジプシーの人間臭さ、激しさに加えて、音独特の音楽、ファッションやライフスタイルが素敵です。

出演者は主役の2人を除いて、ルーマニアのロケ地で暮らすジプシーが起用されました。家や衣装もほとんど、彼らのもので、実際にロケ地に行ってみると、映画で見たそのままの家もありました。この映画の撮影中に主役のロマン・デュリスがジプシーの人妻と恋に落ち、それにインスパイアされた、監督が途中でシナリオを書き換えたというエピソードもあります。

トランシルヴァニア|トニー・ガトリフ|2006年

ルーマニアにある、ヨーロッパ唯一の未開の土地、トランシルヴァニアには、多くのジプシーが暮らしています。トランシルヴァニアは、「森の彼方」という意味で、場所によっては、マイナス40度近くなる厳しい冬がありますが、手付かずの自然が美しく、映画の中では、自然とジプシーの暮らしが、バランス良く調和されています。

僕のスウィング|トニー・ガトリフ|2002年

ジャンゴ・ラインハルトへのトリビュート映画で、フランスのジプシー、マヌーシュのスウィング・ジャズを覚えようとする、白人の男の子と、ジプシーの女の子の恋の物語です。この映画は、小さなところから、ジプシーのライフスタイルがとても良く描かれています。

黒猫・白猫|エミール・クストリッツァ|1998年

ジプシーの陽気で憎めない側面を、音楽とともに映し出しています。前作「アンダーグラウンド」で社会的な論争に巻き込まれ、引退を宣言したクストリッツァが、メッセージ性を排除して制作したものですが、ジプシー映画の新しい世界観だと思います。
社会の道徳に反していても、あまりに単純過ぎて怒れず、むしろ不思議な安心感を覚えてしまいます。

ジプシーのとき|エミール・クストリッツァ|1989年

美しいものが、ただ美しく描かれているのではなく、悲しいことが、ただ悲しく描かれているのではありません。しかしそれによって、痛烈なリアリティが感じられます。言葉では伝えきれない、ジプシーの存在が感じられる映画です。
残念ながらDVD化されていません。VHSですが、渋谷のツタヤにあります。

ジプシーは空にきえる|エミーリ・ロチャヌー|1976年

ロシアの作家、マクシム・ゴーリキーの作品を基につくられています。古い映画なので、違和感のある部分も多々ありますが、昔のジプシーを描いた映画はなかなか無いので、その意味では貴重です。特にジプシーのファッションや昔のライフスタイルに興味のある方には、おすすめです。

他にもジプシーの映画はいくつかありますが、「タラフ・ドゥ・ハイドゥークスの出演している映画」でご紹介しています。