ルーマニアのクレジャニ村から選ばれた、ジプシーたちのバンド、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスの出演している映画をご紹介します。

ジプシーキャラバン|ジャスミン・デラル|2006年

アメリカで成功を収めた、インドから、スペインまでの各地のジプシーのミュージシャンを集めて、ツアーを行った時のドキュメンタリーですが、ジプシーの歴史の紹介もあり、とても分かりやすいです。

葬式のシーンでひたすら演奏を続ける、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスのバイオリニスト、カリウの表情が、何とも言えず、切なくなります。

ラッチョ・ドローム|トニー・ガトリフ|1993年

ジプシーの血が入っている監督、トニー・ガトリフ自身のルーツを探す旅にも思える映画です。「ラッチョ・ドローム」とは、ジプシーの言葉、ロマ語で「良い旅を」という意味です。インドからスペインまでの各地のジプシーの音楽と、美しくてノスタルジックな映像が、台詞や説明もなく流れます。

わたしは、この映画を見て、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスが暮らす、ルーマニアのクレジャニ村へ行くことを決意したのですが、今でも村の様子はあまり変わっていません。今まで、ジプシーと別れるときに、「さようなら」という挨拶を交わしたことはありませんが、クレジャニ村でカリウと別れる際に「ラッチョ・ドローム」(良い旅を)とお互い挨拶したのが、印象的でした。

オーケストラ!|ラデュ・ミヘイレアニュ|2009年

所謂ジプシー映画ではありませんが、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスのカリウが、ロシアのジプシーの役で出演しています。声が吹き替えてあるように思えてならないのですが、なかなか、いい味を出しています。

人を心から感動させる音楽とは、どのようなものか?という視点で描かれていて、ジャンルを超えた音楽の良さが伝わってきます。

耳に残るのは君の歌声|サリー・ポッター|2000年

世間ではあまり知られていない、ナチスによるユダヤ人とジプシー迫害の歴史を映画化したものです。ジョニー・デップがジプシー役、クリスティーナ・リッチがユダヤ人役で出ており、2人の演技は素晴らしいです。

タラフ・ドゥ・ハイドゥークスは、大きな役どころで、出演しているわけではありませんが、この映画で彼らは、ジョニー・デップと知り合い、大絶賛されました。以後の交友関係は今だに続いており、ジョニー・デップは、タラフのメンバーが暮らす、ルーマニアのクレジャニ村も訪れたようです。クレジャニ村では、あくまで質素なジプシーの生活を貫く、タラフのメンバーや家族にとって、ジョニー・デップに認められているということは、彼らの自慢の一つです。