「立ったまま埋めてくれ」というのはジプシーの詩人の言葉です。
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差別や迫害の歴史があるジプシーは、生きている時は膝まづいて暮らしていたのだから、せめて死んだ時には「立ったまま埋めてくれ」とう嘆きの意味が込められていると言われていますが、死んでも生きようというような、強さも感じます。

この言葉がタイトルになっている本は、ユダヤ系アメリカ人女性、イザベル・フォンセーカによる、東欧ジプシーのルポルタージュです。著者が、各地に散らばるジプシーを追って、共に暮らしたりしながら、ジプシーの歴史や生活などを記録したもので、ジプシーとはどんな人々なのか?がよく分かります。90年代に旅をして書かれた本なので、現在とは少し状況は違いますが、当時の事実は変わりません。とても濃い内容に、頭がさがります。

映画監督や学者など、多くの人の活動に影響を与えているこの本ですが、題名からも決して明るい内容ではありません。ジプシー取り巻く厳しい社会や歴史、民族性がリアルに綴られており、ある意味、社会の「影」の部分かもしれません。しかし、この「影」無くして、ジプシーの「光」の部分は、語れません。もし、ジプシーに興味があるのであれば、ぜひ一度読んでみてもらいたい本です。